送迎のハンドルを握る前から緊張する、乗降時の確認を一人で任されるのが怖い。そんな気持ちが続くと、「自分には向いていないのかも」と責めたくなることもあります。
怖さを我慢して運転を続けるのではなく、まず何に不安を感じているのかを分け、安全に働ける体制を職場へ相談しましょう。担当を外れる、同乗者をつける、休むといった選択肢もあります。退職や転職だけが答えではありません。
更新日:2026年10月31日 著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部
まず押さえたい要点は3つ
- 送迎の不安は、運転への苦手意識だけでなく、確認手順や人員配置が曖昧なことから生じる場合もあります。
- 安全に運転できる自信がないほど疲れている、眠れていない、体調が悪いときは、無理に乗務せず管理者へ伝えてください。
- 相談しても体制が変わらないなら、担当変更や休職、退職・転職も含めて、自分を守る方法を検討できます。
「送迎が怖い」とは、何に不安を感じている状態?
この記事では「送迎が怖い」を、子どもを乗せた運転や乗降時の確認、時間に追われる状況などに強い不安を覚え、業務を続けるのがつらくなっている状態として扱います。診断名ではなく、あなたの負担を整理するための言葉です。
不安の中身を具体的にすると、相談先や必要な対応が見えやすくなります。次の項目から、当てはまるものを確認してみてください。
- 運転技術や道路状況に不安がある
- 車内の子どもの様子と運転を同時に見るのが難しい
- 乗車人数や降車後の確認方法が曖昧
- 道順や送迎先の変更を直前に知らされる
- 遅れを急かされ、落ち着いて運転できない
- 不安や体調不良を伝えても、担当を代わってもらえない
どれか一つでも当てはまるなら、「自分が弱いから」と片づけず、どんな場面で何が足りないと感じるのかを記録しておきましょう。
放デイと学童では、確認する安全ルールが異なる
放課後等デイサービスのガイドラインでは、安全計画の周知、研修や訓練、安全管理マニュアルの作成などが示されています。送迎場面についても、乗降時の点呼や安全装置に関する記載があります。送迎業務の役割分担や手順が不明なときは、事業所の安全計画・マニュアルを確認し、管理者に説明を求めてかまいません。([cfa.go.jp](https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/04b4370f/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_guideline_tebiki_05.pdf))
一方、学童は運営主体や自治体によって実際の送迎方法が異なります。放デイのルールがそのまま当てはまるとは限らないため、勤務先の規程や自治体の案内を確認してください。どちらの職場でも、「安全にできるか不安」という現場の声を個人の我慢だけで処理しないことが大切です。
| 不安の場面 | 確認したいこと | 相談時の伝え方 |
|---|---|---|
| 出発前 | 運転者・同乗者、経路、連絡方法が決まっているか | 「出発前に役割とルートを確認する時間を設けてください」 |
| 乗降時 | 誰が人数や乗降を確認し、記録するか | 「点呼を誰が担当するか、手順を統一したいです」 |
| 運転中 | 子どもの対応や急な変更時の連絡方法があるか | 「運転中に判断が必要になった場合の連絡先を決めたいです」 |
| 体調が悪い日 | 乗務を交代する基準や代わりの職員がいるか | 「今日は安全に運転できる状態ではないため、乗務を外してください」 |
こども家庭庁の安全管理資料は、運転する職員の体調把握や安全管理に関する研修にも触れています。放デイの車両設備など、適用条件がある事項もあるため、自分の事業所や車両に何が必要かは公式資料と指定権者の案内で確認してください。([cfa.go.jp](https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/25b66fba/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_14.pdf))
「自分が運転に向いていない」と決める前に
送迎前の確認時間がない、慣れていない道を一人で任される、子どもの対応も運転者に求められる。そうした状態なら、怖さの原因は個人の適性だけではなく、業務の設計や支援体制にもあるかもしれません。
心の中の違和感は、今のやり方を見直すサインかもしれません。ただし、違和感だけで退職を決めなくても大丈夫です。まず「何を変えれば、安全に働けるのか」を確かめてみましょう。
続ける・担当を変える・休む・辞めるを比較する
| 選択肢 | 検討しやすい状況 | 次の一歩 |
|---|---|---|
| 手順を確認して続ける | 不安の原因が曖昧な手順や経験不足で、職場が改善に協力する | マニュアル確認、同乗研修、出発前の確認時間を相談する |
| 送迎担当を変える | 運転や車内対応に強い不安があるが、別業務なら続けられそう | 期間を区切った担当変更や、同乗業務への変更を相談する |
| 休む・医療機関へ相談する | 不眠、動悸、強い疲労などが続き、日常生活にも影響している | まず管理者へ休みを相談し、必要に応じて医療機関に相談する |
| 退職・転職を考える | 安全上の不安を伝えても改善されず、心身の負担が続いている | 退職を急いで決めず、希望する働き方や生活面、相談先を整理する |
たとえば、道順を覚えたばかりで子どもの乗降確認も同時に任され、質問しても「慣れれば大丈夫」と流される場合。まずは、同乗者の配置、確認表、道順の共有を具体的に相談できます。それでも安全な体制が整わないなら、送迎を外れる相談や、別の職場を探すことも選択肢です。
相談しても変化がない場合の整理は、放デイ・学童で相談しても変わらないときの記事も参考にしてください。支援方針の違いが送迎時の対応にも影響しているなら、支援方針が合わずつらいときの整理も役立ちます。
職場の安全面や相談先を一緒に整理したい方は、先生のぐちの相談・情報案内を見ることもできます。
相談するときは「怖い」だけで終わらせなくていい
不安をうまく説明できなくても、伝えられる範囲で十分です。次の三つをメモしておくと、相手に状況が伝わりやすくなります。
- いつ、何が起きるか:「乗降時、人数確認と車内の見守りを同時に一人で行う場面」
- 何が心配か:「確認が抜けるのではないかと不安で、出発前から緊張する」
- どう変えてほしいか:「役割を分ける、チェック表を使う、同乗者をつける」
伝え方の例は、「送迎が怖くてつらいです。特に乗降後の人数確認を一人で担うと不安があります。確認手順と担当者を一緒に決めていただけませんか」です。すぐに改善が難しいと言われたら、「安全に運転できる状態ではないため、今日の乗務は外してください」と具体的に伝えてください。
今日できる現実的な一歩
- 次の送迎で不安な場面を一つだけメモする。
- 勤務先の安全計画や送迎マニュアル、緊急時の連絡手順を確認する。
- 管理者に話す時間を依頼し、「人員配置」「確認手順」「担当変更」のうち一つを相談する。
- 強い眠気や体調不良がある日は、無理に運転せず、乗務前に職場へ連絡する。
一度の相談で解決しなくても、相談内容や返答を記録しておけば、次の判断材料になります。職場で話しづらい場合は、厚生労働省の「こころの耳」など、公的な相談窓口を確認できます。窓口ごとに相談できる内容や受付時間が異なるため、利用前に公式案内を確かめてください。([kokoro.mhlw.go.jp](https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/))
よくある質問
送迎が怖いだけで、担当を外してもらう相談をしていいですか?
相談してかまいません。「怖い」と感じる場面と、安全に働くために必要な対応を伝えましょう。担当変更が可能かどうかは職場の体制にもよるため、同乗や研修など別の案も含めて話し合ってください。
事故が起きていなくても、運転を断っていいのでしょうか?
事故が起きるまで我慢する必要はありません。体調不良や強い眠気などで安全に運転できないと感じたら、乗務前に管理者へ伝え、交代や代替対応を相談してください。勤務上の扱いに疑問がある場合は、就業規則や公的な労働相談窓口も確認しましょう。
相談しても変わらないなら、すぐ退職すべきですか?
すぐに退職と決めなくても大丈夫です。担当変更、休むこと、別の職員への相談、外部窓口の利用などを検討できます。一方、改善を求めても安全面の懸念が放置され、心身のつらさが続くなら、退職や転職の準備を始めるのも自分を守る選択です。
まとめ|怖さを抱えたまま、一人で運転し続けなくていい
放デイや学童の送迎が怖いときは、まず不安の場面を具体的にし、職場の手順・役割分担・体調への配慮を確認しましょう。放デイと学童では確認する制度やルールが異なるため、勤務先の規程や自治体・国の公式情報に沿って整理してください。
続ける、送迎担当を変える、休む、退職・転職を考える。どの選択にも、状況に応じた理由があります。今日できる一歩は、不安な場面を一つメモして、管理者に具体的な改善を相談することです。
自分だけで抱え込まず、働き方や次の選択肢を整理したいときは、先生のぐちの相談・情報案内もご覧ください。
参考情報
制度や安全管理の詳細は、事業所の規程、自治体・指定権者の案内、各省庁の最新情報をご確認ください。

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