結論:放デイ・学童の個人情報漏えいを防ぐには、「誰の情報を、何の目的で、誰に、どの方法で共有するか」を送信・保管・廃棄の前に確認する仕組みが必要です。職員個人の注意だけに頼らず、写真・連絡帳・支援記録・SNS・学校との情報共有を場面ごとにルール化しましょう。
特に注意したいのは、①送信先や添付ファイルの間違い、②私物スマートフォンや個人SNSへの保存・投稿、③口頭やチャットでの不用意な共有です。迷ったときは自己判断で進めず、管理者や個人情報管理の担当者に確認します。
この記事の要点3つ
- 写真・氏名・支援内容は、単独でなく組み合わせでも個人が特定され得る。
- 情報共有は「必要な人に、必要な範囲で、決められた方法」で行う。
- 誤送信や紛失に気づいたら、削除だけで終わらせず、すぐ報告・記録する。
個人情報と守秘義務の定義
個人情報とは、氏名、住所、電話番号、生年月日など、特定の個人を識別できる情報です。顔写真、動画、児童票、支援記録、服薬や発達に関する情報なども、状況によって個人情報に当たり得ます。
守秘義務とは、仕事で知った子どもや家庭の秘密を、正当な理由なく漏らさないことです。退職後も、業務上知り得た情報を不用意に話したり、私物端末に残したりしないよう注意が必要です。
ただし、具体的にどの情報を誰と共有できるか、保護者の同意が必要か、虐待や安全確保に関する通告・連絡をどう扱うかは、事案と制度によって異なります。自治体、指定権者、法人規程などを確認してください。
場面別|情報の扱い方を比較
| 場面 | 起こりやすいミス | 確認すること |
|---|---|---|
| 連絡帳・メール | 別の家庭への誤送信、宛先の自動入力 | 宛名、送信先、添付、本文、送信方法を二重確認 |
| 写真・動画 | 別の子どもが写り込む、私物端末に保存する | 撮影・利用・掲載のルール、保存先、削除時期を確認 |
| 支援記録 | 感想や推測を断定的に書く、共有範囲が広すぎる | 事実と見立てを分け、必要な職員だけが見られる状態にする |
| SNS・広報 | 顔を隠せば投稿できると思い込む、背景から施設や学校が特定される | 法人の承認、掲載目的、同意の範囲、背景・名札・位置情報を確認 |
| 学校・関係機関 | 口頭で広く共有する、同意や共有目的が不明確 | 共有目的、相手、項目、方法、記録の残し方を確認 |
今日できる行動
- 職場の個人情報保護規程、写真掲載ルール、緊急連絡網の保管場所を確認する。
- 自分のスマートフォンや個人クラウドに、児童の写真・氏名・記録が残っていないか確認する。
- 送信前に使う「宛先・内容・添付・共有範囲」の4項目チェックを職員間で決める。
- 迷った事例を1つ選び、管理者に「この情報は誰まで共有できますか」と確認する。
支援記録を見直すときは、事実と見立てを分ける支援記録の書き方も参考になります。
職員向けチェックリスト
- □ この情報を共有する目的を説明できる
- □ 共有先は業務上必要な人に限定されている
- □ 保護者の同意や法人の承認が必要な場面では確認済みである
- □ 送信前に宛先、添付、本文を見直した
- □ 写真に別の子ども、名札、学校名、住所、車のナンバーが写っていない
- □ 私物端末や個人SNSに保存・投稿していない
- □ 紙の記録は机上に放置せず、決められた場所に保管している
- □ 廃棄方法や保存期間を自己判断で変更していない
- □ 迷ったときの相談先を把握している
具体例で確認する
例1:連絡帳を別の保護者に送ってしまった
まず、送信日時、送信先、本文、添付内容を記録し、すぐに管理者へ報告します。自分の判断だけで再送や削除依頼を進めず、法人の手順に従います。相手への連絡、削除依頼、自治体等への報告が必要かどうかは、法人規程や事案の内容によって異なります。
例2:行事写真に別の子どもの顔が写っていた
掲載前に、写真の利用目的と同意の範囲を確認します。顔だけでなく、名札、制服、背景、位置情報などから個人や所属先が分かる可能性もあります。判断できない場合は公開せず、管理者や広報担当に確認します。
例3:学校から子どもの様子を電話で聞かれた
相手が関係機関であっても、誰が、何の目的で、どの情報を求めているのかを確認します。電話で即答せず、必要に応じて管理者や担当者に引き継ぎ、共有した内容と日時を記録します。
誤送信・紛失に気づいたときの初動
- 止める:追加送信、転送、公開を止める。
- 報告する:管理者や指定された報告窓口へ、できるだけ早く伝える。
- 記録する:いつ、誰が、何を、どこへ、どの方法で扱ったかを整理する。
- 指示を受ける:削除依頼、保護者への説明、自治体等への相談・報告の要否を確認する。
- 再発防止を決める:宛先確認、権限設定、保存場所、職員研修などを見直す。
「削除したから問題ない」とは限りません。スクリーンショットや転送が行われている可能性もあるため、事実を隠さず、組織の手順で対応します。
FAQ
Q1. 顔を隠した写真ならSNSに投稿しても大丈夫ですか?
A. 必ずしも大丈夫とはいえません。背景、服装、名札、投稿日時、施設情報などから特定される可能性があります。掲載目的、同意の範囲、法人の承認手順を確認してください。
Q2. 職員同士の個人LINEで支援情報を共有してもよいですか?
A. 法人が認めた方法かどうかを確認してください。個人端末や個人アカウントでの共有は、誤送信、端末紛失、退職後のアクセスなどのリスクがあります。緊急時の扱いも含め、職場のルールに従います。
Q3. 保護者の同意があれば、どんな情報でも共有できますか?
A. 同意があっても、目的や共有範囲を超えて扱えるとは限りません。必要な情報に絞り、誰に、何のために、どの方法で共有するかを確認します。具体的な判断は、法人規程や自治体・指定権者の案内を確認してください。
まとめ
放デイ・学童の個人情報漏えい防止は、職員が一人で神経をすり減らすことではなく、確認の仕組みを整えることが重要です。
- 写真、氏名、支援記録、家庭状況は個人情報になり得る
- 共有前に「目的・相手・範囲・方法」を確認する
- 誤送信や紛失は、削除だけで終わらせず、早期報告と記録を行う
職員間の情報共有を整える場合は、引き継ぎの手順と情報共有の型もあわせて見直しましょう。
更新日:2026年9月12日
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部


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