保育士の事故報告書の書き方|事実・対応・再発防止の整理

保育士の悩み

結論:保育士の事故報告書は、「誰が悪いか」ではなく、起きた事実・取った対応・今後の対策を時系列で共有するために書きます。

事故やけがが起きた直後は、報告書を書くことよりも子どもの安全確保、必要な応急対応、園内の責任者への報告を優先します。その後、記憶が曖昧になる前に、見たこと・聞いたこと・実施したことを分けて記録しましょう。

なお、重大事故の報告対象、提出先、報告期限、自治体への連絡方法は、施設の種別や自治体の運用によって確認が必要です。園の事故対応マニュアルと所管自治体の案内を確認し、迷う場合は園長や自治体の担当窓口に相談してください。こども家庭庁は、教育・保育施設等向けの事故防止・発生時対応ガイドラインを公開しています。 ([cfa.go.jp](https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/effort/guideline?utm_source=openai))

保育士の事故報告書で押さえる要点3つ

  1. 事実と推測を分ける
    「走っていたようだ」ではなく、実際に見た人の情報として「10時15分、廊下を走る姿を確認した」と書きます。見ていないことは、「職員Aから聞いた」「本人が話した」など情報源を明記します。
  2. 対応を時系列で残す
    発生、発見、応急対応、園内報告、保護者連絡、受診や経過観察などを、できるだけ時刻順に並べます。正確な時刻が分からない場合は、無理に断定せず「頃」「確認できた範囲」と記載します。
  3. 再発防止策を具体化する
    「注意する」だけではなく、「棚の角にクッション材を取り付ける」「移動時の職員配置を見直す」など、誰が・いつまでに・何を変えるかまで整理します。

今日できる行動

  • 園の事故報告書の様式と事故対応マニュアルを確認する
  • 発生時刻、発見時刻、対応時刻、連絡時刻をメモする
  • 見た人・聞いた人・対応した人を分けて整理する
  • 保護者へ伝えた内容と、伝えていない内容を確認する
  • 提出前に、推測・感情的な表現・責任追及の表現を削る

事故報告書とは?

この記事でいう事故報告書とは、保育中に起きたけが、転倒、衝突、誤飲の疑い、所在確認が必要になった事案などについて、発生状況と対応を園内で共有するための記録を指します。園によっては「事故記録」「けがの記録」「インシデント報告書」など、名称や様式が異なります。

ヒヤリハットは、けがなどの結果には至らなかったものの、事故につながる可能性があった出来事を記録するものです。一方、事故報告書は、実際にけがや受診、保護者への報告などが発生した場合に作成することが多い記録です。ただし、区分は園の規程によって異なるため、最終的には勤務先のルールを優先します。

事故報告書を書く順番

1. 基本情報を確認する

  • 発生日時・発見日時
  • 場所
  • 子どもの年齢・クラス
  • 当時の活動内容
  • 関わっていた職員

個人情報の記載範囲は園の様式に従います。不要な情報を独自に追加したり、私物の端末に写真や氏名を保存したりしないよう注意してください。

2. 発生状況を時系列で書く

「いつ」「どこで」「何をしていて」「何が起きたか」を順に記録します。原因を急いで決めつけず、確認できた事実を中心にします。

3. 子どもの状態と実施した対応を書く

意識、出血、腫れ、痛みの訴え、歩行の可否など、園で確認できた範囲を記録します。医療的な判断を保育士が独自に断定するのではなく、看護師、園長、医療機関などに相談した事実と指示内容を残します。

4. 報告・連絡の内容を書く

園長や主任への報告時刻、保護者への連絡時刻、連絡手段、伝えた内容、受診の有無を整理します。電話連絡の場合は、相手の反応や家庭から伝えられた情報も、必要な範囲で事実として記録します。

5. 再発防止策を決める

再発防止策は、個人の注意力だけに頼らないことが大切です。環境、職員配置、活動手順、見守り位置、物品の置き場所、引き継ぎ方法など、仕組みとして見直せる項目を検討します。

記載例:転倒して膝を打った場合

避けたい書き方:「子どもがふざけて走り回り、注意不足で転んだ。今後は気をつける。」

この文章では、誰が見た事実なのか、どのような対応をしたのか、再発防止策が何なのかが分かりにくくなっています。

整理した記載例:

10時20分頃、2歳児クラスの室内で自由遊び中、A児が棚の前を歩いていた際に足元の玩具に足を取られて転倒した。担任Bが発見し、A児を安全な場所へ移動。右膝に軽度の赤みを確認した。出血は確認されず、本人は泣いた後、約5分で落ち着いた。10時25分、主任へ報告。10時40分、保護者へ電話で発生状況と確認した状態を説明した。今後は自由遊び前に床面の玩具を整理し、棚周辺の動線を確保する。担任間で実施状況を確認する。

診断名や重症度は、医療機関の判断がない限り断定しません。「軽症」「問題なし」などの表現も、園の様式や医療職の判断に基づいて使用してください。

事実・推測・評価の違いを比較

区分 例 書き方
事実 10時20分、廊下で転倒した 見た内容・確認できた内容をそのまま書く
伝聞 友だちが「押された」と話した 誰が話したかを明記する
推測 急いでいたため転んだと思う 事実と混同せず、必要なら「推測」と分ける
評価 職員の見守りが不十分だった 原因分析の欄など、適切な場所で具体化する

提出前のチェックリスト

  • 発生日時と発見日時が区別されている
  • 場所と活動内容が書かれている
  • 見た事実と、人から聞いた情報が分かれている
  • 子どもの状態を確認した範囲で記録している
  • 応急対応、園内報告、保護者連絡の時刻がある
  • 受診の有無や医療機関からの指示を記録している
  • 推測や感情的な表現が事実のように書かれていない
  • 再発防止策が「気をつける」だけになっていない
  • 園の様式、園内マニュアル、自治体への報告ルールと照合した
  • 提出先と共有範囲を確認した

午睡中の事故や異変については、保育士の午睡チェック方法|確認項目・記録例と事故防止の手順も参考にしてください。散歩や園外活動での事案を整理する場合は、保育士の散歩引率チェックリスト|出発前・活動中・帰園後の安全確認も役立ちます。

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FAQ

Q1. 事故報告書は、けがが軽そうでも書くべきですか?

A. 園の規程によります。見た目では判断できない場合もあるため、迷ったら主任や園長へ報告し、園で定めた記録基準を確認してください。保護者への連絡や自治体への報告が必要かどうかも、施設種別と自治体の案内に従います。

Q2. 自分が見ていなかった事故はどう書けばよいですか?

A. 「自分が見たこと」と「他の職員や子どもから聞いたこと」を分けて書きます。例えば、「担任Cから、10時頃に園庭で転倒したと報告を受けた」のように、情報源を明記します。分からない部分を推測で埋めないことが重要です。

Q3. 事故報告書に職員の反省文を書く必要はありますか?

A. 反省の気持ちは大切ですが、事故報告書ではまず事実、対応、原因分析、再発防止策を優先します。「注意不足だった」とだけ書くのではなく、環境や手順、配置にどのような改善が必要かを具体的に整理しましょう。書式上の扱いは園長や法人の担当者に確認してください。

まとめ

保育士の事故報告書は、次の順番で整理すると書きやすくなります。

  1. 子どもの安全確保と園内報告を優先する
  2. 発生状況を時系列で整理する
  3. 事実・伝聞・推測を分ける
  4. 実施した対応と連絡内容を残す
  5. 個人の注意だけに頼らない再発防止策を決める

重大事故の報告対象や期限は、国の資料だけでなく、施設の種類、自治体の手続、園のマニュアルによって確認が必要です。判断に迷った場合は、自己判断で処理せず、園長・主任・法人担当者・所管自治体へ相談してください。

参照した公式情報

更新日:2026年9月23日
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部

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