結論:保育士の連絡帳は、「今日あったこと」を並べるだけでなく、事実→保育者の援助→子どもの変化→家庭への一言の順で書くと、保護者に伝わりやすくなります。主観的な決めつけや評価を避け、園の様式・記入ルールを優先しながら、子どもの姿と保育の意図を短く具体的に伝えましょう。
更新日:2026年9月25日
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部
まず押さえたい要点3つ
- 見たことを具体的に書く:「楽しそう」ではなく、「友だちに『かして』と伝え、順番を待っていた」のように、行動や言葉で示します。
- 援助や成長を一言添える:子どもの行動だけでなく、保育者がどう関わったか、子どもがどう変化したかを短く書きます。
- 家庭との連携につなげる:家庭での様子を尋ねたり、園での姿を共有したりして、連絡帳を一方通行の報告にしないことが大切です。
連絡帳とは
この記事では、連絡帳を園での子どもの様子や健康・生活面の情報を保護者と共有し、家庭との連携に役立てる記録として扱います。ただし、記入項目や保存方法、連絡手段は園によって異なります。園のマニュアル、主任・園長の指示、自治体や法人の運用を確認してください。
保育所保育指針では、日常の保育に関連するさまざまな機会を使い、子どもの日々の様子を伝えたり、保育の意図を説明したりして、保護者との相互理解を図ることが示されています。連絡帳も、そのための手段の一つと考えられます。厚生労働省「保育所保育指針」
保育日誌との違い
| 項目 | 連絡帳 | 保育日誌 |
|---|---|---|
| 主な相手 | 保護者 | 園内の職員・保育者 |
| 目的 | 家庭との情報共有と相互理解 | 保育の記録・振り返り・次の計画 |
| 書き方 | 読みやすく、要点を絞る | 保育全体の状況や援助を整理する |
| 表現 | 専門用語を避け、誤解のない言葉にする | 園内で共有できる具体的な記録にする |
保育日誌の詳しい整理方法は、保育士の保育日誌の書き方|事実・援助・振り返りの例も参考にしてください。連絡帳と保育日誌で同じ内容を重複して書く場合は、園内で転記のルールやICT活用の方法を確認すると、負担軽減につながる可能性があります。
連絡帳の基本構成は「4つの順番」
1. 事実を書く
まずは、時間・場面・子どもの言葉や行動を具体的に記します。
- 「園庭で砂場遊びをした」
- 「スコップで砂をすくい、カップに入れていた」
- 「友だちが近づくと、『いっしょに作ろう』と声をかけた」
2. 保育者の援助を書く
子どもに任せたのか、声をかけたのか、環境を整えたのかを簡潔に書きます。
- 「カップをもう一つ用意すると、友だちと並んで遊べました」
- 「気持ちを言葉にできるよう、『貸してほしいんだね』と受け止めました」
3. 子どもの変化や育ちを書く
「成長した」と断定するより、以前との違いや今日見られた姿を具体的に示します。
- 「今日は保育者が促さなくても、友だちに声をかけていました」
- 「途中で思い通りにならない場面がありましたが、気持ちを切り替えて遊びに戻れました」
4. 家庭への一言でつなぐ
家庭での様子を尋ねる場合は、答えやすい質問にします。
- 「ご家庭でも最近、順番を意識する姿はありますか」
- 「帰宅後の疲れや食欲など、気になる変化があればお知らせください」
年齢別の文例
乳児の場合
例:「午前のおやつでは、保育者がスプーンを近づけると口を開けて受け入れていました。途中で手を伸ばしてスプーンを持とうとする姿もありました。手を添えながら、自分で食べようとする気持ちを大切にしています。ご家庭での食事の様子も、また教えてください。」
1・2歳児の場合
例:「散歩の途中で犬を見つけると、『わんわん』と指さして知らせてくれました。保育者が『大きいね』と応じると、何度も振り返って見ていました。身近なものへの興味を言葉や指さしで表す姿が増えています。」
3歳以上児の場合
例:「製作では、色紙を自分で選び、『これはお花にする』と作るものを考えていました。途中で形が崩れると保育者に相談し、折り方を変えて完成させています。自分の考えを言葉にしながら、試してみる姿が見られました。」
避けたい表現と言い換え
| 避けたい表現 | 言い換え例 |
|---|---|
| 落ち着きがない | 活動中に席を離れる場面が3回あり、声をかけると活動に戻りました |
| わがまま | 玩具を使いたい気持ちが強く、「まだ使いたい」と伝えていました |
| 問題なく過ごしました | 給食を完食し、午後は絵本を見てゆったり過ごしました |
| 友だちと仲良くできた | 友だちに「どうぞ」と玩具を渡し、一緒に遊んでいました |
| 成長した | 保育者の援助を受けながら、最後まで自分で取り組みました |
人格を評価する言葉ではなく、観察できた事実を中心に書くと、保護者が子どもの姿を具体的にイメージしやすくなります。また、発達や健康に関する気になる内容は、連絡帳だけで判断・断定せず、園内で共有したうえで、必要に応じて面談や口頭説明の方法を検討してください。
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今日できる行動
- 今日の連絡帳を1冊選び、「事実」「援助」「変化」「家庭への一言」の4要素があるか確認する。
- 「楽しく」「頑張った」など抽象的な表現を一つ選び、子どもの言葉や行動に置き換える。
- クラス内で使いやすい言い換え表現を3つ共有する。
- 同じ内容を連絡帳・保育日誌・申し送りに重複して記入していないか確認する。
- 個人情報の取り扱いや記録の保存方法が園のルールに沿っているか、主任や園長に確認する。
記入前のチェックリスト
- □ 見たこと・聞いたことを具体的に書いている
- □ 子どもの人格を決めつける表現を使っていない
- □ 保育者の援助や環境設定が分かる
- □ 子どもの言葉や行動が一つ以上入っている
- □ 家庭で確認してほしいことがある場合、質問を具体的にしている
- □ 健康・けが・事故など重要事項は、連絡帳だけで済ませず園の報告手順に沿っている
- □ 他児の氏名や個人情報を書いていない
- □ 誤解を招く略語や専門用語を避けている
- □ 園の様式・記入時間・確認者のルールを守っている
よくある質問
Q1. 毎日書くことがなく、内容が似てしまいます
A. 遊び、食事、排せつ、睡眠、友だちとの関わり、言葉、身の回りの動作など、観察する視点を日ごとに変えてみましょう。同じ活動でも、「昨日は保育者と一緒、今日は一人でできた」など、援助の量や子どもの反応に注目すると具体化しやすくなります。
Q2. 保護者から質問や心配事が書かれていたら、連絡帳だけで返してよいですか
A. 内容によります。健康、発達、家庭状況、けが、事故、苦情など、口頭で確認した方がよい内容や園内共有が必要な内容は、連絡帳だけで完結させず、主任・園長などに相談してください。対応方法は園のルールを優先します。
Q3. 「できた」「できない」を書くときの注意点はありますか
A. 結果だけでなく、取り組み方や援助も書きましょう。「できなかった」と断定するのではなく、「保育者が声をかけると、最後まで片付けに取り組みました」のように、見られた過程を伝えると前向きで正確です。
保護者との面談で連絡帳の内容をさらに共有したい場合は、保育士の保護者面談準備|要点整理と伝え方の例も参考にしてください。
まとめ
保育士の連絡帳は、子どもの園での姿を家庭に伝え、保護者と一緒に育ちを支えるための大切なコミュニケーション手段です。書くときは、次の4点を意識しましょう。
- 事実を具体的に書く
- 保育者の援助を添える
- 子どもの変化や取り組みを伝える
- 家庭とのやり取りにつなげる
連絡帳の書き方に唯一の正解があるわけではありません。園の様式や方針を基本に、個人情報の扱い、重要事項の報告手順、主任・園長への相談ルートを確認しながら、保護者に伝わる記録を整えていきましょう。
公式情報・参照先
※制度、記録の保存、個人情報の取り扱い、健康・発達に関する対応は、自治体・法人・園の最新の規程や公式案内を確認してください。


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