結論:校務分掌の偏りを調整したいときは、「自分だけが大変」と訴える前に、担当業務を一覧化し、頻度・所要時間・締切・代替の難しさを整理して、管理職に具体的な調整案と一緒に相談しましょう。
校務分掌は、学校運営に必要な仕事を教職員で分担する仕組みです。担当者の経験や校内事情によって負担が変わるため、単に担当数だけを比べても、実際の重さは見えにくいことがあります。
この記事の要点3つ
- 担当数ではなく、時間・締切・突発対応まで見る。
- 相談時は、困っている事実と教育活動への影響を分けて伝える。
- 「外してほしい」だけでなく、分担変更・期限調整・補助者設定などの案を出す。
今日できる行動
- 今月担当している校務をすべて書き出す。
- それぞれに、実施頻度、1回あたりの時間、締切、突発対応の有無を記入する。
- 授業準備、成績処理、学級経営、保護者対応など、同じ時期に重なっている業務を確認する。
- 管理職や分掌主任に相談する候補日を決める。
- 「負担が大きい業務」「調整できそうな業務」「維持したい業務」に分ける。
校務分掌の偏りとは
校務分掌の偏りとは、担当する業務の数だけでなく、業務にかかる時間、責任の重さ、締切の集中、休日や勤務時間外の対応、突発的な連絡の多さなどが、一部の教員に集中している状態を指します。
たとえば、担当数が2つでも、年間行事の全体調整と外部団体との連絡を担っていれば、担当数が4つでも定例作業中心の人より負担が重い場合があります。逆に、忙しさの感じ方だけで不公平と決めつけると、調整の話が進みにくくなることもあります。
文部科学省は、学校における働き方改革の取組として、一部の教職員に業務が偏らないよう校内の分担を見直す考え方を示しています。ただし、具体的な分担や相談手順は学校・自治体の規程や運用によって異なります。
負担を見える化するチェックリスト
| 確認項目 | 記入例 | 確認 |
|---|---|---|
| 業務名 | 校外学習、ICT、進路、保護者連絡など | □ |
| 実施頻度 | 毎日、週1回、月1回、学期ごと | □ |
| 所要時間 | 準備・実施・片付け・記録を含めた時間 | □ |
| 締切 | 提出日、会議日、行事日 | □ |
| 突発対応 | 電話、欠席者対応、事故・トラブル対応など | □ |
| 代替のしやすさ | 他の人が代われるか、引き継ぎ資料があるか | □ |
| 教育活動への影響 | 授業準備、休憩、面談準備にしわ寄せがあるか | □ |
調整方法の比較
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 業務を分割する | 準備・連絡・記録など作業が複数ある | 責任者と補助者の役割を明確にする |
| 締切をずらす | 複数の提出物や行事準備が重なる | 学校全体の予定と調整する |
| 担当者を交代する | 毎年同じ人に集中している | 引き継ぎ期間と資料を確保する |
| 定型化・共有化する | 毎回ゼロから準備している | 前年度資料の個人情報や古い内容を確認する |
| 補助者を置く | 外部連絡や集計など作業量が多い | 補助者の権限と最終確認者を決める |
管理職へ相談するときの伝え方
相談では、感情を抑え込む必要はありません。ただし、最初から「不公平です」と結論だけを伝えるより、事実、影響、希望する調整の順で話すと、具体的な検討につながりやすくなります。
相談文例:
「校務分掌について相談があります。現在、A業務とB業務を担当しており、今月は行事準備と提出物の締切が重なっています。先週は授業準備後に約○時間の作業が続き、来週の面談準備にも影響が出そうです。A業務の連絡担当を分けるか、B業務の締切を調整できないか、一度相談させてください」
相談記録には、相談日、相手、伝えた内容、確認された対応、次回確認日を残しておきます。個人情報や児童生徒の情報を含む場合は、学校の保管ルールに従ってください。
具体例:行事担当と学年業務が重なった場合
たとえば、学年主任補佐をしながら、学校行事の全体連絡も担当しているケースでは、会議、保護者向け文書、外部連絡、当日の人員調整が同じ時期に集中することがあります。
この場合は、次のように整理します。
- 行事業務を「外部連絡」「文書作成」「当日進行」「終了後の記録」に分ける。
- 自分が最終判断を担う作業と、他の教員に依頼できる作業を分ける。
- 締切の早い作業を先に確認し、後ろ倒しできる作業を明確にする。
- 管理職には、単なる作業量ではなく「どの業務を誰に移すと安全に進むか」を示す。
大切なのは、業務を他の教員へ一方的に押し付けることではありません。全体の負担、経験、校内の役割、児童生徒への影響を見ながら、継続可能な分担を相談することです。
調整を求めても変わらないとき
一度の相談で分担が変わらない場合は、次の順で整理します。
- 相談した内容と回答を記録する。
- 負担が続いている期間と、授業・健康・安全面への影響を整理する。
- 改めて、期限や調整案を明確にして相談する。
- 必要に応じて、校長、教頭、主任、教育委員会など、所属先の相談ルートを確認する。
相談先や申立ての扱いは、設置者、雇用形態、学校の規程によって異なります。体調不良や強いストレスがある場合は、無理に抱え込まず、勤務先の健康相談、産業医、医療機関などへの相談も検討してください。利用できる制度や対応は、各機関へ確認しましょう。
FAQ
Q1. 校務分掌の担当数が多いだけで、偏りといえますか?
A. 担当数だけでは判断できません。作業時間、責任、締切、突発対応、代替のしやすさを合わせて確認しましょう。担当数が少なくても、年間を通じた調整業務や緊急連絡が多ければ負担が大きい場合があります。
Q2. 管理職に相談すると「みんな大変」と言われそうです。
A. 他の教員と比べて優劣を争うのではなく、自分の業務の事実と教育活動への影響を示しましょう。「何を減らすか」「何を分けるか」「いつ再確認するか」まで提案すると、話し合いが具体化しやすくなります。
Q3. 相談したことで評価や人間関係に影響しないか不安です。
A. 相談後の扱いや評価への影響について、一律に断定することはできません。学校や自治体の相談窓口、服務・人事担当の案内を確認し、必要であれば相談内容と対応を事実ベースで記録してください。緊急性がある場合は、早めに正式な相談ルートを確認しましょう。
まとめ
- 校務分掌の偏りは、担当数ではなく時間・責任・締切・突発対応で見る。
- 業務を一覧化し、教育活動や生活への影響を事実で整理する。
- 相談時は、分担変更・締切調整・作業分割など具体的な案を示す。
- 相談後は、対応内容と次回確認日を記録する。
- 学校ごとの規程や自治体の相談ルートがあるため、必要に応じて公式窓口へ確認する。
参照した公式情報
更新日:2026年10月1日
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部


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