子どもに強い口調で返してしまい、「このまま働いていていいのかな」「辞めたほうがいいのかな」と怖くなることはありませんか。まず大切なのは、自分を責め続けることではなく、子どもの安全を守りながら、何が起きているのかを整理することです。
イライラを感じた時点で、あなたが職員失格だと決まるわけではありません。一方で、子どもに当たりそう、適切に関われる自信がないと感じるなら、ひとりで抱えず、現場の責任者や同僚に安全な引き継ぎを頼んでください。
まず押さえたい3つのこと
- 感情と行動は分けて考える。イライラした気持ちだけで、自分を悪い人だと決めつけない。
- 子どもの安全を先に確保する。一人で対応を続けるのが難しいときは、職場の手順に沿って別の職員へ引き継ぐ。
- 辞めるかどうかは、状態を整理してから考えてよい。休む、相談する、担当や業務の調整を求める、退職を考えるなど、選択肢は一つではない。
「子どもにイライラする自分が怖い」ときの最初の対応
もし今、子どもにきつく当たりそう、手が出そう、落ち着いて見守れないと感じているなら、まず安全な引き継ぎをしてください。子どもを一人にしたり、見守りのない状態にしたりせず、近くの職員や管理者に「今は一人で対応を続けるのが難しいので、交代をお願いします」と伝えます。
すでに強い言葉や不適切な対応をしてしまった場合も、隠したり、一人で判断して済ませたりせず、事業所の報告・相談手順に従って責任者へ共有してください。子どもの安全と必要な支援を優先し、起きたことは評価や推測を加えず、見た事実・時間・その後の対応に分けて記録するのが基本です。事業所や自治体の報告手順が分からない場合は、管理者や指定権者に確認してください。
放課後等デイサービスについて、こども家庭庁のガイドラインは、安全管理や事故時の対応について、事業所の体制や自治体のルールを確認するよう示しています。個別の対応・報告方法は、事業所の手順と地域の公式案内を確認してください。こども家庭庁「各種ガイドライン・手引き等」も参照できます。
イライラの背景を、責めずに切り分ける
「自分の性格が悪いから」と一つに決める前に、いつ、どんな状況で気持ちが強くなるのかを見てみましょう。子どもの行動だけでなく、職員配置や休憩、業務量、周囲の支援も関係しているかもしれません。
状況整理チェックリスト
- 特定の子ども・時間帯・活動のときに強くなるか
- 人手が足りない、休憩が取れない、急な変更が続いていないか
- 対応に迷ったとき、すぐ相談できる職員がいるか
- 睡眠や食事が乱れたり、出勤前から緊張したりしていないか
- イライラしたあと、自分を責めて仕事のことが頭から離れなくなっていないか
たとえば、活動の切り替え時だけ毎回つらくなるなら、手順や声かけ、職員の役割分担をチームで見直せる可能性があります。反対に、休みの日も仕事を考え続ける、出勤前に強い不安がある、どの場面でも余裕が戻らないという状態なら、担当調整だけで解決するとは限りません。医療的な判断はこの記事ではできないため、心身の不調が続く場合は医療機関や公的な相談先に相談してください。
| 気づいたこと | 考えられる確認先・次の一歩 |
|---|---|
| 特定の活動で対応が難しくなる | 同僚と場面を振り返り、手順や役割分担を相談する |
| 人手や休憩の不足が続いている | 管理者に、起きた場面と業務への影響を具体的に伝える |
| 出勤前からつらく、休んでも戻らない | 休むことも選択肢にし、医療機関や外部相談窓口につなぐ |
| 職場に相談しても改善の見込みがない | 外部の相談先を使い、配置変更・休職・退職などを並べて検討する |
「この仕事は向いていない」という心の声を急いで結論にしない
子どもにイライラしたあと、「向いていない」「辞めるしかない」と感じることがあります。その違和感は、無理を続けているサインかもしれません。ただし、職場の体制や休息不足が影響しているなら、環境を変えることで関わり方が変わる可能性もあります。
「自分が悪い」と決めつける必要も、「辞めればすべて解決する」と急ぐ必要もありません。何が負担なのか、どの条件なら続けられそうかを分けて考えてみましょう。
職場の人間関係が負担の中心なら、放デイ・学童の人間関係がつらいときの整理も参考になります。相談しても改善しない場合の考え方は、放デイ・学童で相談しても変わらないときの選択肢で整理しています。
休む・相談する・続ける・離れる。選択肢を並べてみる
すぐに退職を決めなくてもかまいません。反対に、安全に働き続けるのが難しいほど追い詰められているなら、「子どもに迷惑をかけたくない」と無理を重ねる必要もありません。
- 休む:心身の状態がつらいときは、まず欠勤や休暇を含めて職場に相談する。利用できる制度や手続きは雇用先に確認する。
- 相談する:管理者に、困る場面・必要な交代や支援・いつまでに確認したいかを具体的に伝える。職場で話しにくければ外部相談窓口も使う。
- 続ける:担当や勤務の調整、相談相手の設定、対応手順の確認など、具体的な改善策を試し、無理なく働けるかを見直す。
- 退職・転職を考える:安全確保や業務調整を相談しても状況が変わらない、または心身の負担が続く場合は、離れる選択肢も検討する。
「子どもが好きなのに、イライラしてしまう」という気持ちだけで、仕事を続ける・辞めるを決めなくて大丈夫です。大事にしたい気持ちがあるからこそ、今の自分と現場の状態を一緒に見直してみてください。
職場で話す内容や、これからの働き方を一人で整理しづらいときは、相談先を探すところから始めてもかまいません。自分に合う相談先や選択肢を確認することもできます。
今日できる現実的な一歩
今日は、退職届を書くより先に、メモを一つ作ってみてください。
- イライラが強くなった場面を一つだけ書く。
- その直前に起きていたことを、事実だけで記す。
- 次に同じ場面が来たとき必要な支援を一つ選ぶ。「交代を頼みたい」「そばで見守ってほしい」などで十分です。
- 管理者や信頼できる職員に、メモを見せて相談する。今日伝えるのが難しければ、外部窓口を調べておく。
相談の切り出しは、たとえば「最近、○○の場面で余裕がなくなり、子どもへの対応が心配です。安全に支援するため、交代や役割分担を相談したいです」と伝えられます。
相談先に迷ったとき
職場の外に話したい場合、厚生労働省の「こころの耳」では、働く人向けの電話・SNS・メール相談窓口が案内されています。利用条件や受付時間は変更されることがあるため、最新情報は公式ページで確認してください。こころの耳「相談窓口」
勤務時間、休暇、職場の安全衛生など労働条件の相談は、厚生労働省の労働条件相談ほっとラインも確認できます。相談内容によって適切な窓口は異なります。
よくある質問
子どもにイライラする私は、支援の仕事に向いていないのでしょうか?
イライラすることだけで、向き不向きを断定することはできません。どの場面で起きるのか、職員体制や休息に問題がないか、相談や調整で変化するかを確かめてから考えても遅くありません。ただし、子どもの安全を保てない不安があるときは、まず同僚や責任者に引き継ぎを頼んでください。
イライラを管理者にどう伝えればいいですか?
「自分がダメです」だけで終わらせず、困った場面と必要な支援を伝えます。「活動の切り替え時に一人で対応するのが難しく、交代の合図を決めたいです」のように、具体的な相談にすると話し合いやすくなります。
休職や退職を考える目安はありますか?
一律の目安はありません。仕事の前後や休日にもつらさが続く、安全な対応を続ける自信が持てない、相談しても環境が変わらないなどが重なっているなら、休むことや退職を含めて相談する理由になります。制度の利用条件や手続きは雇用先や公的窓口に、心身の不調については医療機関に確認してください。
まとめ
放デイ・学童で子どもにイライラして、自分が怖くなることは、ひとりで抱え込まずに整理してよい悩みです。まず子どもの安全を守れるよう引き継ぎ、次に、負担が強くなる場面や職場の体制を確認しましょう。
休む、相談する、調整して続ける、退職や転職を考える。どれか一つを今すぐ正解にしなくて大丈夫です。今日できる一歩は、困った場面と必要な支援を一つだけメモして、誰かに伝えることです。
参照した公式情報
更新日:2026-10-15
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部


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