集団遊びを用意したいけれど、順番待ちや手先の動きが苦手な子もいて、全員が同じやり方で参加できるか迷うことがあります。紙コップタワーは、積むだけでなく、渡す・数える・応援するなど参加方法を選べる活動です。
まず押さえたい要点3つ
- 参加の仕方を一つに決めない。積む、渡す、見本を選ぶ、応援するなど、子どもが選べる役割を用意します。
- 高さや完成数を競わない。タワーが崩れてもやり直せる協力遊びとして進めます。
- 当日の子どもの様子と事業所の安全計画を優先する。道具や場所、見守り方は職員間で確認してから始めます。
放課後等デイサービスのガイドラインは、子どもが望む遊びを選べることや、一人ひとりの状態に応じて環境を工夫することを示しています。以下は活動案の一例です。個別支援計画や事業所の方針、当日の様子に合わせて調整してください。([cfa.go.jp](https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/04b4370f/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_guideline_tebiki_05.pdf?utm_source=openai))
紙コップタワー活動とは
紙コップを順番に積み、グループでタワーを作る活動です。勝敗を決めるのではなく、「どう積むか」「誰がどの役割をするか」を相談しながら進めます。完成した高さよりも、参加方法を自分で選んだことや、友だちと道具をやりとりした場面を活動の手がかりにします。
必ず全員が同じ動作をする必要はありません。見ている、合図を出す、使う色を選ぶなども、その子に合った参加方法として扱えます。
準備するものと始める前の確認
- 紙コップ(破損や汚れのないもの)
- 安定した低めの机、または平らな床面
- 必要に応じて、役割を書いたカードや絵カード
- 完成後に片付けるためのかご
紙コップの数や活動時間は、参加する子ども、職員配置、場所に合わせて決めます。数を増やすことが活動の目的ではありません。紙コップを口に入れる、投げる、強く握って破るといった行動が想定される場合は、使う素材や進め方を見直し、個別の支援方針を確認してください。
進め方は「選ぶ・試す・振り返る」
- 完成イメージを示す。低いタワーを一つ作って見せ、「積む」「渡す」「応援する」などの参加方法を伝えます。言葉だけで伝わりにくい場合は、実物やカードを使います。
- 役割を選ぶ。本人が選びやすいように選択肢を少なく提示します。選ばない場合は、見てから決められることも伝えます。
- 交代しながら積む。一人ずつ積む、二人で一緒に置く、職員と一緒に行うなど、手順を調整します。順番が長くなりそうなら、渡す役や応援役も用意します。
- 崩れたときは、続け方を選ぶ。「もう一度作る」「低くして続ける」「いったん休む」など、次の選択肢を短く示します。崩れたことを失敗として責めません。
- 終わり方を共有する。完成したタワーを見て終える、写真を撮る、使ったコップを一緒に片付けるなど、事業所のルールに沿って活動を締めます。
役割の例|同じ活動でも参加方法を変えられる
| 役割 | 活動の例 | 調整の例 |
|---|---|---|
| 積む | 紙コップを一つずつ置く | 職員がコップを支える、積む位置を示す |
| 渡す | 次に使うコップを友だちへ渡す | 手渡しが難しければ、机に置いて相手が取る形にする |
| 選ぶ・合図する | 色や置く場所を選ぶ、次の人を指す | 指差し、視線、カードなど本人が使いやすい方法を確認する |
| 応援・見守り | できあがる様子を見る、応援の言葉や合図を送る | 声を出すことを求めず、見ている参加も認める |
役割は固定せず、本人が希望したときに交代できるようにします。「見ているだけでは参加ではない」と決めつけず、活動への関わり方を職員間で共有しましょう。
具体例:順番待ちが難しい子がいるグループ
順番を待つ間に席を離れやすい子がいる場合、全員が一列に並んで一つずつ積む方法に限りません。紙コップを渡す役を置く、二つの場所で同時に積んで最後につなぐ、職員と一緒に短い順番で試すなど、待つ時間が長くなりにくい進め方を検討できます。
途中で離れたくなった子には、戻るタイミングや別の役割を選べることを伝えます。参加を強制するのではなく、子どもの反応を見ながら活動を続けるか、休むかを調整します。切り替えの声かけや環境の整え方に迷う場合は、放デイ・学童の切り替え支援の記事も参考になります。
活動前・活動中のチェックリスト
- 紙コップに破れ、汚れ、つぶれがない
- 積む場所が安定していて、周囲の動線をふさいでいない
- 子どもが参加方法を選べるよう、複数の役割を用意した
- その日の体調や気持ち、個別の配慮事項を確認した
- 投げる、口に入れるなどの行動があった場合の対応を職員間で確認した
- 活動を中断する合図や、片付けへの移行方法を共有した
こども家庭庁の障害児支援における安全管理ガイドラインは、事業所の環境整備や、子ども一人ひとりの理解を含めた組織的な安全対策を示しています。この記事のチェック項目だけで安全を保証するものではありません。事業所の安全計画・手順を優先してください。([cfa.go.jp](https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/25b66fba/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_14.pdf?utm_source=openai))
活動後は「できたこと」と次回の調整を記録する
記録では「楽しそうだった」といった印象だけで終わらせず、見えた行動と職員の支援を分けて書きます。
- 事実:紙コップを自分で置いた、次の子にコップを渡した、途中で席を離れた
- 支援:役割カードを提示した、職員が積む位置を示した、休憩できる場所を案内した
- 次回:役割の選択肢を絞る、順番の待ち方を見直す、本人に参加方法を先に確認する
行動の理由を決めつけず、観察した事実と支援への反応を記録します。書き分け方は、放デイ・学童の支援記録の書き方で確認できます。
よくある質問
紙コップタワーは何歳からできますか?
一律の対象年齢は設定できません。年齢だけで決めず、紙コップの扱い方、本人の興味、集団で過ごすときの様子、個別支援計画を踏まえて実施を判断してください。
タワーが崩れて気持ちが乱れたら、どう進めればよいですか?
まず周囲の安全を確認し、本人が落ち着ける時間や場所を確保します。そのうえで「作り直す」「低くする」「今日は終える」などの選択肢を、本人が受け取りやすい方法で示します。対応に迷う場合は一人で判断せず、職員間で共有してください。
全員が参加しない場合も、集団活動として行えますか?
全員に同じ動作を求める必要はありません。見守る、選ぶ、途中で休むなどの参加方法を用意し、本人の意思や当日の状態を尊重します。活動の目的や支援上の位置づけは、事業所の支援方針と個別支援計画に照らして確認してください。
今日できる行動
次の活動を計画するときは、紙コップを用意する前に「積む以外の役割を何にするか」「途中で休みたい子がどう抜けられるか」を職員同士で確認してみてください。役割を選べる形にしておくと、同じ遊びでも参加の入口を複数用意できます。
まとめ
放デイの紙コップタワーは、積む・渡す・選ぶ・応援するなど、参加方法を調整しやすい集団活動です。高さや勝敗を目標にするのではなく、子どもの希望や状態に合わせて役割、順番、終わり方を工夫しましょう。活動前の安全確認と、活動後の事実に基づく振り返りも忘れずに行います。
次に確認することは、参加する子どもの個別の配慮事項と、事業所の安全計画です。活動準備や支援の見直しに役立つ情報は、こちらから確認できます。
参考にした公式資料
- こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(概要)」:遊び・体験活動、子どもの選択や個別性に関する確認に使用。
- こども家庭庁「障害児支援における安全管理について」:事業所での安全管理に関する確認に使用。
更新日:2026年11月7日
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部

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