結論:放デイ・学童の写真掲載は、「撮影してよいか」だけでなく、掲載先・目的・公開範囲を分けて同意を確認し、掲載前に対象児童と同意状況を照合することが大切です。
ホームページ、InstagramなどのSNS、施設内掲示、広報誌では、見られる人の範囲が異なります。同じ写真でも、掲載先が変われば確認すべき内容も変わります。
写真の扱いは、個人情報保護法や各自治体・法人の規程、契約書、保護者との同意内容によって判断が変わります。迷ったときは、管理者・法人本部・自治体の担当部署に確認しましょう。
この記事の要点3つ
- 同意は掲載先ごとに分ける:施設内掲示、保護者限定ページ、ホームページ、SNS、広報誌では公開範囲が異なります。
- 写真だけで判断しない:顔、氏名、制服、名札、学校名、位置情報、活動内容の組み合わせで個人が特定されることがあります。
- 誤掲載時の手順を先に決める:掲載停止、削除、管理者報告、対象範囲の確認、保護者への説明、再発防止を順番に行います。
今日できる行動
- 現在使っている同意書を開き、「写真撮影」と「外部掲載」が分かれているか確認する。
- ホームページ、SNS、広報誌、施設内掲示など、実際の掲載先を一覧にする。
- 直近の投稿や掲示物を、児童名・顔・名札・学校名・背景の情報が分からないか確認する。
- 同意の有無を確認できる台帳や一覧表を、職員が閲覧できる場所に整える。ただし、不要な個人情報を掲示しない。
- 誤掲載が起きた場合の連絡先と判断者を、職員室や共有マニュアルに明記する。
写真掲載に関する基本的な定義
- 写真の撮影
- 活動記録や広報素材として、子どもを撮影することです。撮影できることと、外部へ公開できることは同じではありません。
- 写真の掲載
- 施設内に掲示するほか、ホームページ、SNS、広報誌、求人ページなどで第三者が見られる状態にすることです。
- 公開範囲
- 誰が写真を見られるかという範囲です。職員のみ、施設利用者と保護者のみ、URLを知る人のみ、インターネット上の不特定多数などに分けて考えます。
- 同意の撤回・掲載停止
- 保護者などから掲載をやめてほしいという申し出があった場合に、今後の掲載を止め、既存の掲載物を確認する対応です。契約書や法人規程に沿って扱います。
個人情報保護委員会は、個人を識別できる写真は個人情報に当たり得ると説明しています。また、子どもの同意については、対象となる情報や事業の性質などを踏まえた個別判断が必要とされています。年齢だけで一律に判断せず、保護者の同意と子ども本人の意思の尊重を組み合わせて確認しましょう。
掲載先ごとの確認ポイント比較
| 掲載先 | 見られる人 | 確認する内容 | 現場での注意 |
|---|---|---|---|
| 施設内掲示 | 利用児童、保護者、職員など | 掲示場所と掲示期間 | 来訪者や他事業所の利用者にも見える場所か確認する |
| 保護者限定ページ | ログインできる利用者・保護者など | 閲覧者の範囲、保存・転載の扱い | 限定公開でも第三者への転送やスクリーンショットを完全には防げない |
| ホームページ | インターネット上の不特定多数 | 掲載目的、氏名表示の有無、掲載期間 | 顔、名札、学校名、位置情報が組み合わさらないか確認する |
| SNS | 不特定多数、拡散先を含む | 投稿文、コメント、タグ、位置情報 | 投稿後の転載や保存を前提に、必要最小限の情報にする |
| 広報誌・パンフレット | 配布先の読者 | 配布地域、部数、配布期間 | 配布後の回収が難しいため、掲載前の確認を厳格にする |
掲載前チェックリスト
- □ 写っている子どもを特定できるか確認した
- □ 写真の掲載目的を説明できる
- □ 掲載先と公開範囲が同意内容と一致している
- □ 氏名、学校名、住所、利用曜日などの不要な情報を載せていない
- □ 名札、連絡帳、掲示物、車両番号などが背景に写り込んでいない
- □ 写真に写る全員の同意状況を確認した
- □ 同意なし、確認中、掲載不可の子どもを除外した
- □ 子ども本人が嫌がっていないか、表情や意思を確認した
- □ 管理者または指定された確認者の承認を受けた
- □ 掲載日、掲載場所、確認者を記録した
同意確認は「撮影」と「公開」を分ける
同意書の項目は、少なくとも次のように分けると確認しやすくなります。
| 項目 | 確認例 |
|---|---|
| 活動記録用の撮影 | 支援記録や施設内の振り返りに使うか |
| 保護者への共有 | 保護者限定ページや個別連絡で共有するか |
| 施設内掲示 | 他の利用児童や来訪者が見られる場所に掲示するか |
| ホームページ | 施設紹介や採用広報などで公開するか |
| SNS | 公式アカウントで投稿するか。投稿文や位置情報も含めるか |
| 広報誌・パンフレット | 外部配布物に掲載するか。配布地域や期間はどの範囲か |
「写真掲載に同意する」という一文だけでは、どの掲載先まで含むのか不明確になる場合があります。法人や自治体の様式がある場合は、独自に変更せず、管理者や担当部署に確認してください。
具体例:行事写真をSNSに投稿する場合
状況:放デイで工作活動を行い、施設の公式SNSに活動写真を投稿することになった。
- 投稿予定の写真を選ぶ。
- 写っている子どもを一覧にする。
- 各児童について、SNS掲載への同意があるか確認する。
- 同意が確認できない児童を含む写真は使用しない。
- 顔だけでなく、名札、学校名、送迎車、位置情報、投稿時間にも注意する。
- 投稿文に個人名や利用曜日などを記載しない。
- 投稿前に管理者が確認し、確認者・掲載日・投稿先を記録する。
例えば、同じ集合写真に「Aさん」「○○小学校」「毎週水曜日に利用」などの情報が加わると、写真単体よりも個人が特定されやすくなります。必要な情報だけを残し、活動の様子を伝える目的から外れる情報は削除します。
誤掲載に気づいたときの初動
- 掲載を止める:投稿の公開停止、非公開化、掲示物の取り外しなどを行う。
- 管理者へ報告する:誰が、いつ、どこに、何を掲載したかを伝える。
- 掲載範囲を確認する:ホームページ、SNS、広報誌、転載先、スクリーンショットの有無を確認する。
- 記録を残す:掲載内容、確認時刻、対応者、削除時刻、関係者への連絡内容を記録する。
- 保護者への説明を判断する:法人の規程や管理者の指示に従い、事実と対応を簡潔に説明する。
- 再発防止を決める:同意台帳の更新、二者確認、SNS投稿権限、背景確認などを見直す。
削除すれば必ず問題が解消するとは限りません。外部への拡散や保存の可能性があるため、個人で判断して終わらせず、法人本部や自治体の担当部署、必要に応じて専門家へ相談してください。
保護者への説明文例
「本日、施設の広報用写真について、掲載範囲の確認に誤りがありました。現在は掲載を停止し、該当ページ・投稿の確認と削除を進めています。掲載内容、確認時刻、対応状況を整理したうえで、改めてご説明します。今後は掲載前の二者確認と同意状況の照合を徹底します。」
原因が確定していない段階で、「誰にも見られていない」「絶対に拡散していない」などと断定するのは避けます。確認できた事実、まだ確認中の事項、これから行う対応を分けて伝えましょう。
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FAQ
Q1. 保護者が写真撮影に同意していれば、SNSにも掲載できますか?
必ずしも同じとは限りません。撮影、施設内共有、ホームページ、SNS、広報誌では公開範囲が異なります。同意書にSNS掲載が含まれているか、掲載目的や公開範囲が明確かを確認してください。不明な場合は、掲載前に保護者へ確認する運用が安全です。
Q2. 子どもの顔をスタンプで隠せば、同意は不要ですか?
顔を隠しても、氏名、制服、名札、学校名、活動場所などの情報から個人が特定される可能性があります。また、法人の規程や自治体の運用で同意確認が必要な場合もあります。加工だけで一律に判断せず、掲載目的と特定可能性を確認してください。
Q3. 子ども本人が嫌がっている場合、保護者が同意していれば掲載できますか?
保護者の同意だけで進めず、子ども本人の意思や年齢、理解の程度を踏まえて慎重に判断しましょう。本人が明確に嫌がっている場合は、掲載しない、別の写真にするなどの対応を優先し、管理者へ相談してください。
まとめ
- 写真の撮影と、ホームページ・SNSなどへの掲載は分けて同意を確認する。
- 掲載先、目的、公開範囲、掲載期間を具体的に整理する。
- 顔だけでなく、名札・学校名・背景・位置情報などの組み合わせにも注意する。
- 掲載前に、写っている子どもと同意状況を照合し、確認者を記録する。
- 誤掲載時は、掲載停止、管理者報告、範囲確認、記録、説明、再発防止の順で対応する。
写真掲載は、施設の活動を伝える一方で、子どものプライバシーや安全にも関わる業務です。「前年度も同じ方法だった」ではなく、掲載先と同意内容が一致しているかを毎回確認しましょう。
公式情報・参照先
- 個人情報保護委員会:ホームページや機関誌に、行事などにおける利用者の写真を掲載する場合、本人の同意を得る必要はありますか
- 個人情報保護委員会:何歳以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要がありますか
- こども家庭庁:放課後児童健全育成事業に関する法令・通知等
- こども家庭庁:障害児支援施策
- 厚生労働省:放課後等デイサービスガイドライン概要
更新日:2026年9月27日 著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部


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