結論:保育士が退職を伝えるときは、就業規則と雇用契約を確認し、退職希望日を決めてから、まず園長や直属の上司に直接伝えましょう。その後、担当している子ども・保護者・書類・行事・係の情報を一覧化すれば、引き継ぎの抜け漏れを減らせます。
ただし、退職の扱いは無期労働契約か有期労働契約か、また園の就業規則や契約内容によって異なります。法律上の判断が必要な場合は、勤務先の規程や厚生労働省の公式情報を確認してください。([check-roudou.mhlw.go.jp](https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya_taisyoku.html?utm_source=openai))
この記事の要点3つ
- 先に確認するのは「就業規則・雇用契約・退職希望日」です。
- 退職の意思は曖昧にせず、理由は簡潔に伝えます。
- 引き継ぎは人ではなく項目で整理すると、忙しい保育現場でも進めやすくなります。
保育士が退職を伝える時期とは
ここでいう「退職を伝える時期」とは、園長や法人の担当者に、退職の意思と希望する退職日を伝えるタイミングのことです。
一般的には、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 雇用契約書や労働条件通知書を確認する
- 就業規則の退職手続きや申出期限を確認する
- 有給休暇の残日数、担当業務、行事予定を整理する
- 園長または直属の上司に面談を依頼する
- 退職希望日を含めて意思を伝える
厚生労働省は、無期労働契約について、法律上は退職の申出から原則14日を経過すると退職となる考え方を示しています。一方で、実際の退職手続きや引き継ぎでは、就業規則や園との調整が関係します。有期労働契約は契約期間の途中か満了時かで扱いが異なるため、個別に確認が必要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001620507.pdf?utm_source=openai))
無期契約と有期契約の違いを比較
| 確認項目 | 無期労働契約 | 有期労働契約 |
|---|---|---|
| 契約期間 | 終了日があらかじめ決まっていない | 契約期間と満了日が決まっている |
| 最初に見る書類 | 就業規則・雇用契約書 | 雇用契約書・更新条件・就業規則 |
| 退職時の注意 | 法律上の基本ルールだけでなく、園の手続きや引き継ぎも確認する | 契約途中の退職を希望する場合は、契約内容や事情を確認する |
| 迷ったとき | 園に書面で確認し、必要に応じて労働局などの相談窓口を利用する | |
表は一般的な整理です。雇用形態や契約更新の実態によって判断が変わることがあるため、自己判断だけで進めないようにしましょう。
今日できる行動3つ
- 雇用契約書と就業規則をスマートフォンで撮影または手元に用意する
- 退職希望日と、その日までに担当する行事をカレンダーに書く
- 園長に「退職について相談したい」と面談時間を依頼する
まだ転職先が決まっていない場合は、退職の準備と求人確認を同時に進める方法もあります。勤務条件を比較するときは、保育士の求人票の見方|入職後に困らない確認項目12選も参考にしてください。
園長への退職の伝え方
退職理由を詳しく説明しすぎると、話が感情的になったり、改善提案の話にすり替わったりすることがあります。最初は、退職の意思、希望日、感謝の3点を簡潔に伝えます。
基本の伝え方
「お時間をいただきありがとうございます。〇月〇日を目安に退職したいと考えており、ご相談したくお時間をいただきました。これまでお世話になったことに感謝しています。退職までの業務と引き継ぎについては、できる限り整理して進めます。」
理由を詳しく聞かれたとき
「今後の働き方を見直した結果、環境を変える決断をしました。現時点では意思は変わっていません。残りの期間は、子どもや保護者への影響が出ないように引き継ぎを進めたいと考えています。」
人間関係が理由でも、相手への批判を最初から並べるのではなく、事実と希望を分けて話すことが大切です。つらさが強い場合は、保育士の人間関係がつらいときの相談・改善・転職判断も確認してください。
退職までの引き継ぎチェックリスト
- 担当クラスの年間・月間・週間の予定
- 子ども一人ひとりの配慮事項や生活リズム
- アレルギー、服薬、けが、事故後の経過など、安全に関係する情報
- 保護者との連絡で継続中の相談や確認事項
- 個別記録、指導計画、連絡帳、会議資料の保管場所
- 行事準備の進捗、発注物、外部との連絡先
- 係・委員会・係活動の締切と次の担当者
- ICTシステムや共有フォルダの操作方法
- 未完了の書類と提出期限
- 口頭で伝えた内容を、必要に応じて園の様式や共有方法で記録する
子どもの個人情報や健康情報を含む資料は、私物の端末や個人メールに保存・転送しないよう注意してください。園の情報管理ルールに従い、退職後に持ち出さない資料を確認しましょう。
具体例:引き継ぎ表の作り方
| 項目 | 現状 | 次の担当者へのメモ | 期限 |
|---|---|---|---|
| 保護者相談 | 家庭での睡眠について相談中 | 次回面談で園での様子を共有予定 | 〇月〇日 |
| 行事準備 | 衣装の数量確認まで完了 | 不足分を業者へ確認 | 〇月〇日 |
| 書類 | 月案の下書き作成済み | 主任確認後に修正 | 〇月〇日 |
「気をつけてください」だけではなく、「何が起きているか」「次に何をするか」「いつまでか」を書くと、受け取る側が動きやすくなります。
退職を引き止められたときの対応
園から「年度末までいてほしい」「人が足りない」と言われても、その場で結論を変える必要はありません。退職希望日、勤務条件、引き継ぎ方法を分けて確認しましょう。
- 退職日を変更する提案なのか
- 一時的な勤務調整の提案なのか
- 雇用契約や就業規則に基づく説明なのか
- 書面で確認できる内容か
退職の意思表示や退職日をめぐって話し合いがまとまらない場合、厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、労働問題に関する相談や助言・指導、あっせんの案内を受けられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html?utm_source=openai))
FAQ
Q1. 退職は何か月前に伝えるべきですか?
園の就業規則や雇用契約書に申出時期が書かれている場合は、まずその内容を確認します。法律上の扱いは無期契約・有期契約などで異なるため、「必ず何か月前」と一律には断定できません。行事や引き継ぎを考えると、早めに相談するほうが調整しやすい一方、心身の安全に関わる場合は無理に先延ばしにしないでください。
Q2. 退職理由は「一身上の都合」で問題ありませんか?
退職届の記載方法は、園の指定様式や手続きによって異なる場合があります。一般的な書面では詳しい事情を書かずに記載することがありますが、提出前に園の担当者へ必要事項を確認しましょう。面談では、理由をすべて話す義務があるかのように考えず、必要な範囲で簡潔に説明します。
Q3. 園長が退職届を受け取ってくれません。どうすればよいですか?
受け取り拒否があった場合の対応は、雇用契約、就業規則、退職の意思表示の内容などで変わります。提出日時や相手の反応を記録し、メールなど園で認められている方法で確認を残せるか検討してください。判断に迷う場合は、労働局の総合労働相談コーナーなど公的な相談窓口に確認しましょう。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html?utm_source=openai))
まとめ
保育士の退職準備は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 雇用契約書と就業規則を確認する
- 退職希望日と担当業務を整理する
- 園長や直属の上司に意思を明確に伝える
- 子ども・保護者・書類・行事・係の順に引き継ぐ
- 話し合いが難しい場合は公式の労働相談窓口を確認する
退職は、園への配慮だけでなく、自分の生活や心身を守るための手続きでもあります。無理に一人で抱え込まず、契約内容と事実を整理してから、必要な相手に相談しましょう。
更新日:2026-09-13
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部


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