結論:保育士の配置が足りないと感じたら、感覚だけで判断せず、①子どもの年齢別人数、②その時間帯に実際に保育へ入っている職員数、③園の種類と自治体ルールを照合しましょう。国の最低基準を満たしているように見えても、休憩・トイレ介助・午睡・送迎準備などで実際の保育体制が不足する場合があります。記録を残して管理者へ確認し、解決しないときは自治体の保育担当窓口へ相談するのが基本です。
この記事の要点3つ
- 配置基準は「園児数÷基準人数」だけで決めない:施設類型、年齢区分、最低配置人数、自治体条例、経過措置などを確認します。
- 勤務表上の人数と、実際に保育へ入る人数は分けて見る:休憩、会議、調理、事務、送迎、欠勤対応などで保育から離れる職員がいるためです。
- 不安を感じたら、日時・人数・業務内容を記録する:「忙しい」ではなく、いつ、何人で、どの業務が重なったかを示すと相談しやすくなります。
保育士の配置基準とは
配置基準とは、保育所などに置く職員数について、子どもの年齢や施設の種類に応じて定められた基準です。一般的な保育所の国の基準では、乳児はおおむね3人につき保育士1人、1歳以上3歳未満はおおむね6人につき1人、3歳以上4歳未満はおおむね20人につき1人、4歳以上はおおむね30人につき1人とされ、保育士は最低2人以上の配置が必要とされています。ただし、制度改正や経過措置、自治体の条例、認定こども園・小規模保育事業などの施設類型によって扱いが異なります。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001iafu-att/2r9852000001iahb.pdf?utm_source=openai))
また、4・5歳児は2024年度から30人につき1人から25人につき1人へ改善されましたが、当分の間、従前の基準で運営できる経過措置が示されています。したがって、「25人に1人だから、必ず全園で同じ運用」とは限りません。最新の適用状況は、園の所在地を管轄する自治体や園の運営法人に確認してください。([cfa.go.jp](https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/f924be75/20260416_policies_hoiku_228.pdf?utm_source=openai))
年齢別に見る配置の確認目安
| 子どもの年齢区分 | 国の基準として示される目安 | 確認するときの注意点 |
|---|---|---|
| 乳児 | おおむね3人につき保育士1人 | 月齢区分や施設類型、最低2人配置の扱いを確認 |
| 1歳以上3歳未満 | おおむね6人につき保育士1人 | 自治体独自の上乗せ基準や加算の有無を確認 |
| 3歳以上4歳未満 | おおむね20人につき保育士1人 | 15人につき1人の配置改善に関する加算等は別途確認 |
| 4歳以上 | 従来はおおむね30人につき1人。改善後は25人につき1人の基準が示されている | 経過措置や加算の適用状況を確認 |
※上表は確認の入口となる目安です。認定こども園、小規模保育事業、企業主導型保育事業などは別の基準が適用される場合があります。実際の適用は自治体・施設類型・条例を確認してください。
配置が足りないか確認するチェックリスト
- □ 施設の種類は、認可保育所、認定こども園、小規模保育事業などのどれか確認した
- □ 対象時間帯のクラス別の子どもの人数を確認した
- □ その時間に実際に保育へ入っている職員数を確認した
- □ 休憩、会議、事務、調理、送迎、清掃などで保育から離れる職員を分けて考えた
- □ 常勤・非常勤・短時間勤務者の勤務時間帯を確認した
- □ 欠勤や早退があった日の代替配置を確認した
- □ 園の所在地の自治体が定める条例・運用を確認した
- □ 配置に関する不安を、日時と人数が分かる形で記録した
今日できる行動
- 直近3日分の勤務状況をメモする:「10時から11時、1歳児12人に職員2人」「休憩中に代替職員なし」など、事実だけを書きます。
- 勤務表と実際の配置を比べる:勤務表に名前があっても、事務作業や別クラス対応で保育に入っていない場合があります。
- 主任・園長に確認する:「配置基準違反です」と断定せず、「この時間帯の配置と、適用される基準を確認したいです」と伝えます。
- 解決しない場合は自治体へ相談する:園名や個人情報をどこまで伝えるか、匿名相談が可能かを最初に確認しましょう。
配置不足が休憩取得にも影響している場合は、保育士の休憩が取れないときの記録・相談手順も参考にしてください。
具体例:配置の不安を相談する場合
例1:欠勤者が出た日に、複数クラスを一人で見る
「今日は職員が1人欠勤し、9時から10時まで、3歳児15人と4歳児12人を職員1人で同時に見守った」という場合、まずは当日の子どもの人数、職員数、保育場所、時間帯、応援職員の有無を記録します。基準を満たすかどうかは施設類型や自治体ルールによって判断が変わるため、記録をもとに主任や園長へ確認します。
例2:勤務表には職員がいるが、実際には保育に入っていない
勤務表上は3人いても、1人が電話対応、1人が給食準備でクラスを離れているなら、実際の保育体制は1人です。このような場合は「在籍している職員数」と「子どもの見守りに入っている職員数」を分けて記録すると、課題が伝わりやすくなります。
相談するときの伝え方
次のように、断定ではなく確認依頼として伝えると話し合いを始めやすくなります。
「○月○日の○時から○時まで、○歳児○人に対して、保育に入っていた職員は○人でした。休憩と別業務の時間も重なっていたため、適用される配置基準と、欠勤時の代替体制を確認したいです。今後の対応を教えてください。」
園内で改善されない、相談したことで不利益な扱いが心配、子どもの安全に直結する状況がある、といった場合は、自治体の保育担当部署や都道府県の保育士支援窓口など、地域の公的な相談先を確認してください。緊急に子どもの安全が脅かされている場合は、園内報告と並行して、自治体の指示を仰ぎます。
シフトの組み方そのものに問題がある場合は、保育士のシフト希望が通らないときの調整手順もあわせて確認できます。
FAQ
Q1. 配置基準を下回っていると思ったら、すぐ違法と判断してよいですか?
すぐに断定するのは避けましょう。施設類型、自治体条例、経過措置、職員の勤務区分、対象時間帯などで確認事項が変わります。まずは事実を記録し、園の管理者と自治体の保育担当窓口へ確認してください。
Q2. 保育補助者や看護師は、保育士の人数として数えられますか?
一律には判断できません。施設の種類、担当する業務、自治体の運用、適用される通知などによって扱いが異なる場合があります。「その職員が配置基準上の職員数に算入されるか」を園または自治体へ確認してください。
Q3. 配置の相談をしたことで、職場で不利益を受けそうです。
相談先や記録の残し方を一人で判断せず、自治体の相談窓口、労働相談窓口、所属法人の内部通報窓口などに確認しましょう。子どもの安全に関わる場合は、職場内の人間関係だけで抱え込まず、早めに公的窓口へ相談してください。
まとめ
保育士の配置基準を確認するときは、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 施設類型と自治体ルールを確認する
- 年齢別の子どもの人数を確認する
- 実際に保育へ入っている職員数を時間帯ごとに記録する
- 休憩・会議・欠勤・別業務による影響を分けて整理する
- 管理者へ確認し、解決しなければ自治体へ相談する
配置に不安がある状態を「自分の保育力が足りない」と抱え込む必要はありません。安全に保育を続けるためにも、感覚ではなく記録と公式情報をもとに確認しましょう。
公式情報・参照先
- こども家庭庁|保育:保育所保育指針、配置基準、関連通知など。
- こども家庭庁|保育提供体制の強化・職員配置基準の改善等:4・5歳児などの配置基準改善と経過措置に関する資料。
- 厚生労働省|児童福祉施設最低基準「従うべき基準」一覧表:保育所の職員配置に関する基準の整理。
※制度や運用は改正される場合があります。この記事だけで適法性を判断せず、最新情報はこども家庭庁、厚生労働省、都道府県・市区町村の公式情報で確認してください。


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