子どものけがや事故が頭から離れず、「また何か起きたらどうしよう」「自分には続けられないかもしれない」と感じていませんか。怖さを一人で抱えたまま、すぐに辞めるかどうかを決めなくても大丈夫です。
まずは、職場の安全体制に不安があるのか、自分の心身が限界に近いのか、あるいは両方なのかを分けて整理しましょう。相談する、休む、環境を変えて続ける、退職や転職を考える道があります。
先に押さえたい3つのこと
- 事故への怖さは、真剣に子どもの安全を考えているからこそ生じることがあります。怖いと感じた自分を、すぐに「向いていない」と決めつけないでください。
- 安全の確保は、職員一人だけの責任ではありません。役割分担や緊急時の対応、職員間の共有など、職場の仕組みも確認します。
- 出勤や日常生活に影響が出ているなら、続けるか辞めるかを急ぐより、まず相談や休息を検討します。
事故への怖さは、何が不安なのかに分けてみる
「事故が怖い」という気持ちの中身は、人によって違います。たとえば、子どもの飛び出しや送迎中の安全が不安な人もいれば、事故が起きたときに報告や保護者対応を一人で担うことを恐れている人もいます。
怖さの対象を具体的にすると、職場に求めたい支援も見えやすくなります。次のように整理してみてください。
- 場面:送迎、外遊び、食事、活動の切り替えなど、どのときに不安が強くなるか
- 体制:その場の職員数、役割分担、応援を呼べる人が明確か
- 手順:事故や急変時の連絡先・対応方法を確認できるか
- 自分の状態:眠れない、出勤前に動悸がする、仕事中に注意を保てないなど、生活への影響があるか
こども家庭庁の放課後等デイサービスガイドラインでは、安全管理や緊急時の対応、職員間での共有について示されています。事業所の実際の手順や役割は職場ごとに異なるため、一般的な情報だけで判断せず、自分の職場のマニュアルや自治体の案内を確認してください。こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」
職場の不安と自分の限界を見分けるチェックリスト
当てはまる項目を数えるためではなく、誰に何を相談するか決める材料にしてください。
- 緊急時の手順や連絡先が、必要なときに確認できない
- 一人で複数の対応を任され、助けを呼ぶ方法も曖昧
- 危険を感じた場面を伝えても、具体的な見直しにつながらない
- 勤務の前後も事故のことを考え続け、休めた感じがしない
- 眠れない、食べられない、涙が出るなど、心身の変化が続いている
- 子どもの安全を保つための注意を、今の自分では保てないと感じる
職場の体制に課題がありそうなら、管理者や安全管理の担当者に「どの場面で、何が起きそうで、どんな確認や応援が必要か」を具体的に伝えます。心身の不調が強い場合は、職場への相談だけで済ませず、医療機関や公的な相談先も検討してください。症状の原因や受診の要否は、この記事だけでは判断できません。
たとえば、送迎時の確認が不安な場合
送迎前の確認や引き渡しに不安があるとき、「自分がもっと気をつければいい」と抱え込むだけでは、必要な対策が見えないままになりがちです。
相談では、「送迎が怖いです」と伝えるだけでなく、「出発前に誰が人数を確認するのか」「予定変更を誰が共有するのか」「困ったとき誰に連絡するのか、手順を一緒に確認したい」と、確認したい点を一つずつ挙げてみましょう。これは一例です。具体的な手順は事業所の規程と子どもの状況に従ってください。
続ける・休む・辞めるを比べて考える
| 選択肢 | 考えやすい状況 | 次にすること |
|---|---|---|
| 相談して続ける | 不安な場面や必要な支援を伝えれば、改善を試せそう | 上司に具体的な場面と希望する対応を共有し、見直し時期を決める |
| 休む・負担を調整する | 睡眠や食事、出勤などに影響があり、今の状態で続けるのが難しい | 上司に勤務調整を相談する。必要に応じて医療機関や外部窓口へ |
| 異動・転職を考える | 安全面の改善が見込めない、または職場との相性が長く合わない | 希望条件や避けたい環境を整理し、在職中に情報収集する |
| 退職を考える | 心身の状態や安全上の懸念から、働き続けることが難しい | 退職時期・手続き・生活面を確認し、必要なら労働相談を利用する |
どの選択も、すぐに一つへ決める必要はありません。安全上の懸念が差し迫っていると感じる場合は、一人で判断せず、管理者や関係機関へ早めに共有してください。
「辞めたい気持ちがあるのに、まだ迷っている」という段階でも、働き方や次の選択肢を整理しておくと、決断を急がずに済むかもしれません。今の働き方や次の選択肢を整理する
相談するときは、説明を完璧にしなくていい
上司に話すなら、次の一文を出発点にできます。
「子どもの安全を考えると不安が強く、特に〇〇の場面で一人では対応しきれないと感じます。役割分担と緊急時の手順を一緒に確認させてください。」
話しても状況が変わらない、職場に相談するのが難しい、心の不調を誰かに聞いてほしいといった場合は、外部の窓口を使う方法もあります。厚生労働省の「こころの耳」では、働く人の心の悩みや仕事上の悩みについて相談先を案内しています。電話相談の受付方法や時間は変更されることがあるため、利用前に公式ページをご確認ください。働く人の「こころの耳電話相談」
労働条件や職場でのいじめ・嫌がらせなどが関係する場合は、厚生労働省の総合労働相談コーナーも相談先の一つです。総合労働相談コーナーの案内
今日できる現実的な一歩
- いちばん怖さが強くなる場面を一つだけメモする。
- その場面で確認したい手順や、必要な応援を一つ書き出す。
- 相談できそうな相手を決め、話す時間を依頼する。職場で話しにくければ、外部窓口や医療機関への相談を選ぶ。
心の声や違和感は、「今の働き方を見直したい」という合図かもしれません。ただし、それだけで退職が正解と決まるわけではありません。休む、環境を整える、別の職場を探すなど、選択肢を確かめるきっかけとして扱ってください。
よくある質問
事故が怖いと思う私は、学童や放デイに向いていないのでしょうか?
怖さだけで向き不向きを決めることはできません。どの場面に不安があるのか、職場の手順や支援が整っているか、心身にどれほど影響しているかを分けて考えてみましょう。
管理者に相談しても変わらなかったら、すぐ辞めるべきですか?
すぐに辞めるかどうかは、状況によって異なります。相談内容と返答を記録し、再相談や別の相談先、勤務調整、異動・転職、退職を並べて検討できます。労働条件や嫌がらせの問題がある場合は、総合労働相談コーナーなど公的窓口で確認してください。
事故のことを考えて眠れません。まず何をすればいいですか?
睡眠や日常生活への影響が続く、または悪化していると感じる場合は、職場の相談に加えて医療機関への相談も検討してください。緊急性や診断の要否は個別に異なるため、この記事だけで判断しないでください。働く人向けの相談窓口として、厚生労働省の「こころの耳」も利用できます。
まとめ|怖さを一人の責任にしない
事故への怖さがあるときは、自分を責める前に、どの場面が不安なのか、職場の手順や応援体制はどうか、心身にどんな影響が出ているかを整理しましょう。相談して続ける、休む、環境を変える、退職する。どれか一つを急いで選ばず、今の自分と子どもの安全を守れる方法を探してかまいません。
今日できることは、不安な場面を一つ書き出すだけでも十分です。ひとりで抱えず、話せる相手や窓口につなげてください。働き方やこれからの選択肢を整理する
公式情報・参照先
- こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」
- こども家庭庁「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」
- 厚生労働省「働く人のこころの耳電話相談」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナー」
更新日:2026年10月24日
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部

コメント