保育士なのに子どもをかわいいと思えないとき|罪悪感と選択肢

子どもをかわいいと思えない自分に気づいて、「保育士に向いていないのかな」と苦しくなっていませんか。そう感じることだけで、あなたが保育士失格だとは言えません。まずは疲れや職場の状況を分けて考え、必要なら相談や休養につなげてください。

気持ちが戻るまで無理に笑顔を作る必要はありません。ただし、子どもに強く当たりそうで怖い、保育の安全を保てるか不安というときは、一人で抱えず、すぐに同僚や責任者へ交代を頼みましょう。

まず押さえたい要点は3つ

  • 子どもをかわいいと思えないときがあることと、保育士としての適性は同じではありません。
  • 気持ちの変化だけでなく、睡眠や体調、担当業務、人間関係など背景を具体的に整理します。
  • 続けるか辞めるかを急いで決めず、休む・相談する・業務を調整する選択肢も検討できます。

「かわいいと思えない」を、責める前に分けてみる

子どもへの愛情がなくなったように感じても、実際には、余裕がなくて反応する力が残っていない場合があります。たとえば、特定の子の対応に追われる、休憩が取りにくい、失敗を恐れて緊張が続く、睡眠不足が重なっているなど、背景は人それぞれです。

「いつから」「どんな場面で」「誰に対して」そう感じるのかを、短くメモしてみてください。朝の受け入れ時だけなのか、勤務中ずっとなのか。特定の業務が続いた日なのか。気持ちを評価せず、状況を記録することが整理の助けになります。

たとえば、午睡の見守りや書類作業が重なった日に余裕がなくなるなら、まず業務量や配置の相談が必要かもしれません。一方で、休日も気持ちが沈む、眠れない・食べられない状態が続くなど、生活や体調にも影響しているなら、職場の相談だけで済ませず、医療機関など専門家への相談も考えてください。ここでは診断はできません。

心の違和感は、働き方を見直す合図かもしれない

「前は自然にできていた声かけがつらい」「子どもと関わる時間が怖い」といった変化は、無理が積み重なっているサインかもしれません。これだけで退職が正解とは決められませんが、気合いだけで乗り切ろうとせず、何が負担なのか確かめるきっかけにはできます。

気持ちが戻らない自分を責めるより、手放せる業務や頼れる相手がいるか探してみましょう。今の園で調整できることもあれば、環境を変えたほうがよい場合もあります。どちらかを今日決めなくても大丈夫です。

休む・相談する・続ける・退職する選択肢

選択肢 検討しやすい状況 最初の一歩
業務を調整して続ける 負担の原因が担当や業務の偏りにあり、調整の余地がありそう 負担の場面を一つに絞り、主任や園長に具体的な変更を相談する
休む・受診する 心身の不調が強い、出勤や保育の安全に不安がある まず園へ連絡し、必要に応じて医療機関へ相談する。休暇や休職の扱いは勤務先に確認する
第三者へ相談する 園内で話しにくい、労働条件や職場の対応にも困っている 公的相談窓口や、信頼できる人に状況を共有する
退職・転職を検討する 調整を求めても改善が難しい、環境を変えたい気持ちが続く 退職を急いで決めず、生活費・退職時期・次の働き方を整理する

体調が限界に近いときは、転職活動や退職の手続きを急ぐより、まず安全に休める方法を確認してください。休暇・休職の条件や手続きは勤務先や雇用形態などで異なるため、就業規則や担当窓口で確認しましょう。

相談するときは「気持ち」だけでなく場面を伝える

「子どもをかわいいと思えない」と言うのが難しければ、業務上困っている事実から話して構いません。たとえば、「午後のクラス対応が続くと余裕がなくなり、声かけがつらくなっています。配置や業務を一度相談できますか」のように、場面と希望を伝えます。

園長に話しにくい場合は、主任、別の管理職、法人の相談担当など、別の窓口がないか確認してください。園内で相談できないときの考え方は、保育士が園長に相談できないときの記事でも整理しています。ミスへの不安が重なっている人は、保育士がミスを怖いと感じて仕事に行きたくないときの記事も参考にしてください。

子どもに強く当たりそう、または安全に保育を続ける自信がないと感じたら、子どもから離れてよい状態を確保し、すぐに他の職員へ引き継いでください。自分だけで抱え込まず、施設の事故防止・対応手順に沿って責任者へ共有しましょう。こども家庭庁の教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応ガイドラインも確認できます。

働くことによる心の不調については、厚生労働省のこころの耳電話相談で相談できます。労働時間や賃金など労働条件の問題は、厚生労働省の労働条件相談ほっとラインが相談先の一つです。窓口の対応範囲や受付時間は変更されることがあるため、利用前に公式案内を確認してください。

今の園を続けるか迷っている方は、保育士向けの相談・転職情報を見て選択肢を整理する

今日できる現実的な一歩

  1. 今日つらかった場面を一つだけ、事実としてメモする。
  2. 明日の保育で安全面に不安があるなら、出勤前に園へ連絡し、交代や休みを相談する。
  3. 相談相手を一人決めて、「今すぐ退職を決めたいのではなく、まず負担を整理したい」と伝える。

気持ちを一度で説明できなくても構いません。メモを見せるだけでも、相談の入り口になります。

よくある質問

子どもをかわいいと思えない私は、保育士に向いていないのでしょうか?

その感覚だけで適性を決めることはできません。疲労や緊張、担当業務、職場環境など、背景を切り分けて考えましょう。長く続く不調や生活への影響がある場合は、医療機関など専門家にも相談してください。

園長に「子どもをかわいいと思えない」と言わなければいけませんか?

その言葉をそのまま使わなくても大丈夫です。「特定の業務の後に余裕がなくなる」「配置を相談したい」など、困っている場面と必要な支援を伝える方法があります。

この気持ちが続くなら、退職したほうがよいですか?

退職だけが答えではありません。業務調整や休養、園外の相談、異動・転職などを比べて、自分の健康と安全を守れる選択を検討してください。退職時期や手続きは雇用条件によって異なるため、勤務先の規定などを確認しましょう。

まとめ

子どもをかわいいと思えないとき、まず必要なのは自分を責めることではなく、疲れや職場の状況を具体的に確かめることです。無理に気持ちを取り戻そうとせず、業務調整、相談、休養、退職・転職を含む選択肢を並べて考えてください。子どもの安全や自分の体調に不安があるときは、一人で抱えず、早めに周囲へ引き継ぎや相談をしましょう。

保育士としての次の選択肢を、焦らず情報収集する

公的情報の参照先

更新日:2026-11-02
著者:しょぼい園長/先生のぐち編集部

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